[資料公開] Nitro インフラストラクチャの進化、あるいは如何に AWS が Nitro を大切に思っているかという話を re:Growth 2019 TOKYO で話してきました #reinvent #cmregrowth
みなさん、re:Growth してますか!(挨拶
12/1〜6 とラスベガスで開催された re:Invent 2019、その振り返りイベント re:Growth 2019 が開催されました。ぼくも「Nitro Infrastructure 2019」というタイトルで登壇してきましたので、その資料を公開します。
特に新しく発表されたサービス、というわけではないんですが、実際はその新しいサービスを土台で支える「縁の下の力持ち」といえる Nitro。3 つのキーノートでその革新にふれられるなど、AWS の中で大きな存在感を示しています。そのいったんを紹介できていたら幸いです。
資料
トークスクリプト
今回は 10 分間ということで、試験的に、事前に話す内容をトークスクリプトとしてまとめてから資料にするということをやってみました。実際にはアドリブをはさんだりしてこの通りに話しているわけではありません(正直半分以上アドリブでした)が、当日の雰囲気が伝われば幸いです。
導入〜自己紹介
- (略)
- ということで、
- (***Nitro System***)
- ここではいわゆる Nitro システムの話をしたいと思います。
- EC2 で動く Image Builder とかの話はしません。期待してた方がいたら申し訳ないですが、くさるほどブログが上がってるのでそちらをご覧頂ければと思います。
Nitro とは
- Nitro ってご存じですか?(挙手
- ・・・ありがとうございます。(感想
- Nitro が何かをすごく簡単にいうと、
- (***Nitro 構成***)
- EC2 や Lambda が動いている仮想ホスト基盤のこと、となるんですが、
- 今ではかなりの AWS のサービスがこれに依存している形になっています。
- 最近は Traffic monitor とか、Nitro のみというサービスもでてきてきましたね。
- 詳しくはのちほどお話ししますが、
- 今回の re:Invent に関連するところでぱっとお見せすると、
- (***Nitro サマリ***)
- Nitro の上で EC2 が動いており、EC2 に依存する ECS や EKS は当然のこと、SageMaker 系ももちろん恩恵をうけます。
- EC2 以外でも Nitro の上では Fargate や Lambda が直接動くので、もちろんこいつらもですね。
- そしてポータブル Nitro こと Outposts ももちろん Nitro で、こいつはもうむしろ Nitro がなかったら完成しなかっただろう代物です。
- Outposts が重要な鍵をにぎっているであろう LocalZone や Wavelength ももちろん Nitro ですね。
- そしてこれは完全にぼくの妄想なんですが、
- AWS で動作しているサービス、例えば ELB とか Route 53 とか Code 系とか Media 兄弟とか、もっといえばストレージや DB サービスも、
- これらとまったく違う独自のコンピュータシステムが使われているとは想像しにくいので、
- きっとそれらも Nitro の恩恵をうけていると勝手に想像しています。
Nitro の歴史
- さてそんな Nitro ですが、
- (***Nitro の歴史***)
- Nitro は 2017 年に初めて公開されました。開発は 2013 年頃から始まったそうです。
- Nitro 以前の EC2 は、Xen という仮想化基盤の技術をつかっていましたが、
- これを KVM ベースに置き換え、かつ様々な処理を専用チップのハードウェアに置き換えることで、
- 高速化とセキュアさを兼ね備えた仮想化基盤に仕上げたものになります。
- (***Annapurna labs***)
- AWS は平行してアンナプルナラボというイスラエルの半導体企業を買収してまして、
- それが 2015 年ですね。
- このアンナプルナラボの技術が各ハードウェアに生かされているとのことでした。
- 余談ですがぼくはちょうど、この 2017 年から re:Invent に参加していて、以来毎回 Nitro のセッションを拝聴しているのですが、
- (***2017CMP332***)
- 最初の年は「Nitro がでたよ!」という感じでしたけれども、
- (***2018CMP303***)
- 次の 2018 年では既に、Nitro を基盤としてつかう firecracker の発表がされるなど、順調に進化しているという印象でした。
- おそらくですが Aurora や Fargate なんかは、Nitro があって初めて実現されたサービスじゃないかなと思ってます。繰り返しますがこれは完全にぼくの想像です。
キーノートでふれられた Nitro
- まあざっと、それくらい重要である Nitro なんですが、
- (***KNx3***)
- なんと、今回のキーノート 4 つのうち、3 つで Nitro の話が熱く語られたということで、
- その重要度合いが証明されてしまいました。
- まず 12/2 の Monday Night Live では、HPC、ハイパフォーマンスコンピューティングや、
- (***MNL-F1***)
- 従来スパコンが扱っていたような領域のことを AWS でどう扱うかという話で、
- 流体シミュレーションなどの高度な計算が必要な分野の話題として、F1 の車体の設計のことが語られました。
- これに続く話として機械学習の話題もあったんですが、それにしたって EC2 が必要なので実質 Nitro の話です。
- 12/3 のアンディ・ジェシー CEO のキーノートでも、
- (***KN-AJ***)
- Nitro の革新によって新しいインスタンスタイプ、M6g/C6g/R6g ファミリと Inf1 ファミリが生まれた話、
- そして高セキュリティ環境の EC2 Enclaves、エッジコンピューティングの Outposts や LocalZone、Wavelength などなど。
- SageMaker の新ファミリーの話も沢山ありましたが、
- さきほどいったように、機械学習は実質 Nitro の話なのでこれもです。
- 12/4 のグローバルパートナーサミットではさすがに触れられませんでしたが、
- 12/5 のドクターワーナーのキーノートでは、
- (***KN-WV***)
- Nitro がどのように発展を遂げたかという話が、事細かく語られました。
- とくに、Nitro のアーキテクチャを採用したお陰でセキュリティを高められた、という話が中心で、
- 恐らく AWS のデータセンタの外に置かれる Outposts は、これがあったお陰で可能だったのだろうという話が社内でありました。
- つまり、物理的に持って行かれたとしてもデータを抜き取られない、という保証がされているということです。
- 具体的にどこが進化したか、という話もあったんですが、
- それは今回が初出というわけでもなかったので、ここではふれないです。
MDS201
- ここでちょっと脱線というか。
- Nitro の進化の恩恵をうけた業種・業界として、HPC や機械学習が例としてあげられたわけですが、
- (***MDS201***)
- 例えば MDS202 というメディア向けのセッションをぼくは趣味で聞いてきたんですが、
- こちらではメディア業界に Nitro がどのような恩恵があったかをさらっと紹介していました。
- ビデオエンコードに高性能インスタンスタイプが効きますし、
- 低遅延が必要な編集・配信の分野で Outposts、Local Zone が必要と。
- もちろん 5G 時代ではビデオ配信は重要なコンテンツですから、Wavelength も当然関わってきます。
- また、いまの時代メディア業界に機械学習は深く関わっていますから、ここにも恩恵があるという話でした。
- ごめんなさいブログまだ書けてないです。
CMP303
- ちなみに今年も、同じセッション番号の CMP303、Nitro Deep Dive セッションがあったので拝聴してきたのですが、
- 結構重要なことがさらっと語られていたりしました。
- (***CMP303***)
- Nitro の上で動作しているユーザ環境に影響することなく、ソフトウェアやハードウェアのアップデートが可能とのことで、
- もしかしたら、Nitro 世代のインスタンスタイプを使っていたら、
- AWS のホストメンテナンスやリタイアメントといった話は、
- Nitro 世代では無縁になるかもしれません。
- 正直ちょっとこれは本当のところがどうなのか把握できていないんですが。
- まあ、Nitro にしときゃええねんってことですね。
- こちらもごめんなさいブログまだ書けてないです。
- (***Blog It***)
- (DevIO ブログについて話す。時間調整)
まとめ
- あらためてまとめます。
- 今回の Nitro の進化と、それによって可能になったものはこのとおりとなります。
- (***図***)
- まず大きな話として、スパコンなみのクラウドコンピューティングということで、
- むしろこれを得るために Nitro を生み出したといって過言ではないかなと思ってます。
- その莫大な性能を背景に、HPC や機械学習と言った高度なサービスの提供ができているわけです。
- さらに Nitro は柔軟性があるので、ニーズにあわせていろいろなアーキテクチャを提供できます
- 今回発表になった Graviton2 や Inf1 とったものがそれです。
- Nitro はセキュアですから、Enclaves のような高度に機密性の高い用途でも使えるし、
- Outposts のように AWS のデータセンタの外に出しても心配がないわけです。
- そして Nitro ハイパーバイザは FaaS やコンテナも視野に入れて設計されていますから、
- 直接コンテナや Lambda 関数を動かすこともできて、柔軟性やコスト最適化にもうれしいということです。
- さて、
- re:Invent ではもちろん、使って便利な新サービスも大量に発表になるのですが、
- このように、普段なかなか話を聞くことができない裏方というか、土台の話も聞くことができます。
- Nitro はサーバ基盤ですが、Global Infrastructure みたいなネットワークの話も面白いですよね。
- もし興味をもたれましたら、そういう視点の話も追ってみると面白いのではないでしょうか。
- (***logo***)
- ぼくからは以上となります。ご清聴ありがとうございました。
まとめ:Nitro はいいぞ
Nitro はすごいぞ、という話で 10 分間話してきました。 わくわくする新サービスを土台で支える Nitro System、これからも注目していきたいと思います!